ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー

HOME > WEB雑誌4

ファッション・アート・音楽・映画・食・デザイン・店内所蔵の本の紹介など、
オーナーの山田が点と線のイメージソースを記していきます。雑誌を見る感覚でお読みください。
店内所蔵の書籍類一覧はコチラ→点と線の本

Bangkokアンダーグラウンド音楽シーンに見る、東南アジア音楽シーンの今

タイで購入してきた現地のCD全50枚をじっくりと聴き終わりましたので、その中からタイ以外では全く知られてないタイのインディーズシーンの中から、
いくつかご紹介したいと思います。
結論から申し上げますと、日本以外のアジアのシーンにおいて、もっとも音楽感度が高いのはタイなのではないかと思う程、
充実しており素晴らしいアーティストの発掘に成功しました。
にもかかわらず、現地タイには、クラブはあるのに何とライブハウスは一軒もありません。(普段バンドがライブするのは、小さなカフェやアートギャラリーに機材を持ち込み行うそうです)
さらにCDフォーマットは完全に崩壊。CDショップはどこも廃業。大手デパート内に、小さなショップがぽつんと残っている程度。
CDは1プレスオンリー。つまり、追加プレスがないので旧譜が一切買えない。
(ちなみに僕がCDを購入した先は、バンコク市内から1時間程離れた街外れ、船着き場にある約2坪程度のnongと言う極狭なお店。下の記事のカルチャーマップで詳細はチェックして下さい)
・・・にもかかわらず、タイの音楽シーンは元気が良い。楽曲センス、そしてCDジャケットのデザインの凝りようなどもレベルが高く驚き。
正直タイ産のテクノ、ヒップホップなどのクラブミュージックはイマイチと感じたが、シューゲイザー、ポストロック、などはハイセンスで素晴らしかった。
タイを襲った、記録的な洪水被害からの復興を願いながら紹介したいと思う。


Talkless- ทัศนาจร


ทุกทุกวัน / Desktop Error


Desktop Error - อย่างน้อย


The GAD : SOL Sessions


ใครผิด : PLOT


Assajan MV "Reverse"




Bangkokに見る東南アジアの最先端ファッションシーン

夏休みを利用してタイに行ってきました。象乗り、食い倒れ、タイ式マッサージ、、、などもしてきましたが、
タイに行く一番の目的は、近年一部の感度の高いファッション好き・デザイン好きたちの間で話題になってはいたものの、
日本やWEBサイトでもなかなか情報に入ってこなかった、タイのファッションシーン、カルチャシーンを現地に実際に出向き考察する為でした。
現地発の音楽シーン、ファッションシーン、アートシーンなどを体感した中で、一番衝撃的だったのがバンコク発、地場系ブランドの洋服。
バンコク中心部のサイアム地区にある、巨大デパート、サイアムセンターはバンコクに行ったら絶対に行って欲しい買い物スポットの一つ。
ラフォーレ原宿のようなビルで、ほぼ全てをバンコク地場系ブランドのみで固めており、特にデザイナーズ系が揃う3Fフロアは各メゾン強い個性を出しており、ショップデザインに至るまで世界観がどこも素晴らしかった。
そこで僕が今回の旅行で一通り見てきた中で、特に気に入った4メゾンを今回紹介したいと思う。
バンコクが、現在の東南アジアを代表するファッション先進国であるのは間違いないと感じた。

SODA

ーーーーーー


ーーーーーー

ーーーーーー
デザインはMIUMIUをパンキッシュ+エスニックにしたイメージでしょうか。このデザイン、パターン、日本やヨーロッパ・アメリカのブランドにはまずない感じ
なのではないでしょうか?本当に可愛い。ちなみに店内には食器も販売しており、そちらも素晴らしかった。
価格はバンコクブランド全てに共通して言えるが、本当に安い。SODAの場合、トップス5000円~、パンツ8000円、ワンピ10000円程度。手仕事を多用しているにも関わらず、人件費が安いので価格が非常に抑えられている。
日本で同じようなドメス系を買うと3倍以上はしてしまうので、本当に安い。

FLY NOW

ーーーーーー


ーーーーーー


ーーーーーー

こちらもショップディスプレイに至るまで面白くて、ダーク&ファンタジー。
世界観は日本のmotherやUNDERCOVERを彷彿とさせる。洋服は非常にデザイン性が高くて面白かった。
SODA同様、ここ数シーズン世界的に人気の高いマキシ丈ワンピやオールインワンも豊富に揃っていたが、
どれもデザインがデコラティブで斬新で楽しかった。
価格はトップス4000円~、ワンピ10000円~。etc

Senada Theory

ーーーーーー


ーーーーーー

こちらも本当にお洒落だったブランド。手仕事技を駆使した繊細なアイテムも多くて、凝ったフォルムを引き立てるトリミング刺繍だったり、
アートな造形美が目を奪うブラウスなど。ボーダーを使ったマリンルックも沢山取り扱っていて可愛かった。
価格、トップス8000円~、ショートパンツ5000円、ボーダーミニドレス10000円、総スパンコールでカッティングが個性的なドレス30000円etc
このショップでも色々とお買い上げ。


Kloset


ーーーーーー

ーーー


こちらのKlosetはガーリー&レトロで可愛かった。タイシルクやビーズ、スパンコールなどタイの伝統的素材を使い、レースやリボンなどの
ハンドクラフトによる手づくり感が素晴らしかった。ヴィヴィットな色使いのアイテム+レトロは、新しいバランス。



さらに、自分用の靴やシャツなど色々買ってしまったタイブランド、TubeGalleryにはこんな日本の雑誌を転写したこんなジャケットがありました。数着あって、一つは週刊誌などのエロ記事を転写してる商品があって思わず吹いてしまいました。笑


そしてタイのブランドを見ていて感じたのが、年間平均気温が30度を越える国だけあり、日本のようにレイヤードの概念があまりなく、基本的には一枚でデザイン性が高く主張できるアイテムであること。
素材は薄く、タイシルクを使用している場合も多く肌触りが良いこと。
昔からの伝統的な手作業による仕事が服にも多く見られること。
90年代のTOKYOドメスブランド全盛期のようなエッジィ+挑戦的で他にないようなデザインが多い。(実際タイのファッション誌を買って読んでみたら、BACK TO 90’sと書いてあり、意識はしている模様)



今回記事に書ききれなかったバンコク・お薦めのカルチャー&アートマップを、googleマイプレイスに作りました。
今後バンコクに遊びに行きたいとお考えのデザイン好きの方は、是非ブックマークしておいて下さい。損はさせませんよ。

より大きな地図で Bangkok Art&Fashion&Culture Map 2011 を表示





伝説のファッション写真家、Guy Bourdin

パリ出身のギイ・ブルダン (1928-1991)は、優れた才能と技術力とセンスで、
グラマーかつ刺激的なポートレイトを50年代以降のVOGUE誌などで数多く発表し、従来のファッション写真の枠に捉われない新しいファッションフォトの可能性を追及してきた偉大なる写真家だ。
写真技術・表現も多種多様となった現在でも、彼独自のセンスは今見ても全く色褪せることなく、我々に強烈な印象を与え続けている。
今年はブルダン没後20年メモリアルでもあり、点と線としても偉大なる先人に敬意を表し、読者の皆様に紹介したいと思う。


ーーーーーー


ーーーーーー


ーーーーーー

伝説のファッション写真家として語り継がれているギィ・ブルダン。生存中はどんな好条件であっても、写真集の制作や、作品のギャラリー展示を拒否し続けたことでも知られている。


ーーーーーー


ーーーーーー


ーーーーーー

ブルダンはファッション写真をアーティストの視点から制作した写真家であった。
彼の写真にはファッション写真の持つ美しさ以外の奥があり、写真から想像し感じとれる魅力的な物語性、そして刺激的な構図と色を持つ写真作品は、
現在は写真・ファッション業界のみならず、美術業界からも高い評価を得ている。


アキ・カウリスマキ監督のシネマ

フィンランドの映画監督であるアキ・カウリスマキは、最初の長編作品、ドストエフスキーの原作を基に製作した「罪と罰」がフィンランド国内で注目され、
「過去のない男」で、カンヌ国際映画祭のグランプリを取り、国際的な評価を受けている監督だ。
日本での初公開作品は、「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」「マッチ工場の少女」、「浮き雲」、「街のあかり」、「過去のない男」などなど。
どれも本当に素晴らしくて、もう何度も見ていて、僕の大ファンの映画監督の一人でもあります。

ーーーーーー


アキ監督の映画は、労働者階級のための映画でもあり、どちらかと言えば暗いものが多い。
無力な人間が周囲の状況や人生に翻弄されていくという筋を、ただ淡々と描く。
どこか人生に対する諦観が漂うけれど、それでも最後は小さな美しい希望の灯火が、みたいな。

映画としては、「間」が抜群に巧い。ホント天才的に。
会話が極端に少ないからだ。その事によって生まれる映画自体の行間が、なんとも言えずに心地よい。
映画を流れる深刻なテーマ性と相反するように、描かれてゆく風景や、抜群の色使いと構図。
それぞれ登場人物が交わす会話や、表情。
バックに流れる素晴らしい音楽が、僕たちを優しく包んでゆく。そのバランスが、とても気持ちいい。

ーーーーーー


これら一種、独特の雰囲気を持っていて、優しさと寂しさに包まれているアキ監督の作品。
この世にパラダイスなんてものはなくて、フィンランドにも、どんな国にも、人にも、光と影はあるのだ。


Le Creative Sweatshop

フランスを拠点にヴィジュアル表現で活動するクリエイティブユニット、Le Creative Sweatshop.
ファッション・広告・アート界を巻きこんで、現在最もヨーロッパで注目されるアーティストの一人でもある。


ーーーーーー

ーーーーーー


ーーーーーー

とにかく圧巻の完成度を誇る、紙のペーパーワークによる舞台とも見れる演出!
遊び心溢れるアイデアもさることながら、作品制作の完成度と全体のバランス感が本当に凄い。見ていてとても刺激を受ける。


Serphの作り出すドリーミーな音のコラージュ

Serphは2009年より東京で活動を開始した20代男性によるソロ・プロジェクトである。
ピアノと作曲を始めてわずか3年で傑作の1stアルバム『accidental tourist』を作り上げた恐るべき才能の持ち主でもある。
Serphの作り出す音の特徴は、その柔らかでドリーミーなコラージュ感覚。
ジャズ、テクノ、映画音楽、エレクトロニカ、プログレ、様々な音のリズムと要素をあくまでもロマンチックに横断し、
音楽の持つ多幸感だとか素晴らしさだとかを実感させてくれる。


1stAlbum accidental touristより "solitary"


2ndAlbum Ventより"Vent"


そんなSerph、東欧のアニメ作家ユーリ・ノルシュテインがお好きなようで、それを横でかけながら視覚情報を(音に)変換するように制作していくとのこと。
ユーリの作り出す外套と言う作品は、全て手作業の切り絵で制作されると言うとてつもなく手の込んだ作品であり、
その制作期間はなんと20年以上にも及び、今でも完成に向け制作中である。
切り絵による手作業が作り出す、繊細さと叙情感。完成と公開が待ち遠しい作品だ。


ユーリ・ノルシュティン「外套(がいとう)」(未完成)

William Egglestonの写真

今回は僕が最も好きで、愛して止まないエグルストンと言う写真家を紹介します。

ーーーーーー


エグルストンの色は視覚を超えて、むしろ触覚と結びつく。緑色のタイルの質感、光が照らす柔らかな質感、
あるいは夕日を浴びたふとももの皮膚の質感。etc...
現在のデジタルの力に安易に依存するだけの写真家からは到底生み出せないクオリティがここにはある。

■以下、画像クリックで拡大・スライドショーでご覧いただけます。
ーーーーーー

ーーーーーー



その昔、今回紹介しているエグルストンの初期の頃の写真を見て、そのあまりの構図のバランス感に震え、
写真とは絵画そのものでもあり、何てことのない日常生活の中にこそ美と芸術があるんだと学んだ。


ーーーーーー


ーーーーーー

ーーーーーー


何てことないアメリカ南部の風景なのに、目を引き付けられざるを得ない美しさに、ただ圧倒される。
点と線のブックギャラリーも、作品集を次々と入れ替えしていますが、エグルストンの写真集数冊をいつも目立つところに残してある。
このカッコよさを、多くの人に伝えていきたいからです。


ーーーーーー

ーーーーーー


「世界は非常に複雑であるがゆえありふれた日常の中にある平凡さは
なかなか知的に捕らえられない。
私たちは、惑星の一部であって何処にいようとも
どんな日であろうとも似たようなものだ」
--ウィリアム・エグルストン

60年代から学ぶヘアファッション

今回は点と線に所蔵する写真集の中から、Frank Habichtの「in the sixties」をご紹介したいと思います。



点と線ではヘアカタログとして使用させていただく場合もある程、とにかくお洒落なヘアファッションが沢山載っている写真集の1つでもあります。
本当に良いデザインは人種・時代が違えど、髪型にも必ず新しい可能性を与えてくれます。


ーーーーーー

外国人のクセ毛風パーマってよく例えで言う場合もあるじゃないですか?まさにこういうのを言うんですよね!


ーーーーーーーーー

構図がまるで映画の世界の様

ーーーーーーーーー

60年代ロンドンのストリートのリアルなヘアとファッション

ーーーーーー

Frank Habichtは60年代以降の様々な時代のアイコンを撮影してきた人物としても有名です。
(ジョン&ヨウコの有名な裸の写真、ゲンズブール&バーキン、ローリングストーンズetc)

気になる方は是非手にとってご覧下さい。


映画監督×香水のコマーシャル

毎回話題の海外ビックメゾンによる香水のコマーシャル。豪華な映画界の巨匠が監督を務めた僕のお薦めのコマーシャルを紹介いたします。


ーー


Miss Dior 監督・ソフィア・コッポラーーーーーーーーーーー Dior homme 監督・ガイ・リッチー


ーー
Dior Midnight Poison 監督・ウォン・カーワァイーーーーーーGucci By Gucci 監督・デヴィット・リンチ


ーー
BLEU DE CHANEL 監督・マーティン・スコセッシーーーーーーThe new CHANEL N°5 film 監督・ジャン=ピエール・ジュネ



僕は全員の監督の大ファンでもありますが、それぞれの個性が見事に短いCMの世界の中に凝縮されています。
特に好きなのは、スコセッシの映画「欲望」をオマージュしたCM。そしてソフィアコッポラの淡くてガーリーな世界観のCMです。
皆様のお好みはどの監督のコマーシャルでしょうか?


saramoonのフォトとjouer avec moa?のアクセサリー。

フランスを代表する女流写真家の一人でもあるサラムーンの、モノクロームかつアンニュイなる世界観。

ーーーーーー

淡く滲んだ風合いは、まるで夢の中にいるような幻想的な雰囲気です。

ーーーーーー

サラの写真は、フランスらしい落ち着いたセンスがよく出ている作品でもあります。
しかし、どの写真もどことなく哀愁に包まれており、美しいけど哀しい。お洒落だけど哀しい。
そんな、二面性を感じさせてくれます。


ーーー

サラは元ファッションモデル出身で、還暦を過ぎた現在でも現役の写真家でもあります。
上の3点の写真は、VOGUEなどのファッション誌でのカラーでの仕事です。
こちらも、サラらしいロマンティックな仕事がお見事です。

サラ本人。とてもお洒落なマダムです。



そしてこちらは、サラ・ムーンにインスパイアされたアクセサリーを作り出すブランド、jouer avec moa?です。

ネックレスブレスレットカチューシャ

サラムーンのフォトの雰囲気を見事にアクセサリーに表現していて、ロマンティックで本当に可愛い。


購入した時はこちらのマッチ箱をイメージしたオリジナルケースに入っています。
中底にはなんと樹脂コーティングされた本物のマッチ棒が入っており、パッケージに至るまで見事に表現されています。


東海地方では、名古屋のFuligoさん、四日市のCOCODECOさんでお取り扱いしてます。気になった方は一度行ってみては?

jouer avec moa?



屋久島について

ユネスコ世界遺産に縄文杉が登録されてたり、映画もののけ姫の舞台になった事からも、日本の秘境として広く知られている屋久島。
古来、屋久島の森はすべて神の山で、特に奥山は女人禁制の聖域でもありました。
江戸時代のはじめまで島の人々は屋久杉を神木としてあがめ、伐採することはめったにありませんでした。
(現代においても、島人にとっては屋久杉は神木であるのには変わりなく、古来からの様々な興味深い風習も残っております。)

ーーーーーー


森林資源の伐採活用が始まったのは、1640年、屋久島安房の出身、泊如竹による献策が大きいとされている。
以来、高度経済成長の始まる昭和30年代ごろまで、林業は島の最重要産業となりました。
しかしそれ以来、若者労働力の都市転出、それに伴う島の産業の低迷などもあり、現在に至るまで急激な人口減少が続いてしまっている。

昭和41年には縄文杉が発見され、世界遺産に登録。観光客の増加により、現在は中心である観光業と僅かな漁業が島を支える重要な産業にもなっている。

ーーーーーー
(写真左から、根周り43mにも及ぶ大樹、縄文杉。2枚目、ウイルソン株。3枚目、ウイルソン株内部から見上げた写真)

僕が初めてトレッキングで屋久島を訪れたのは、2006年の事でした。
見渡す景色全てがびっしりと雨の雫と苔に覆われており、その幻想的な空間にただただ感動の連続だったのを覚えています。
その景色は、思わず自分が水の中にいるのでは?と錯覚を起こす程でもある。

聞こえるのは、雨の音、風の音、川の音、そして己の吐息のみ。

ーーーーーー
(写真右。こんな生き物に見える苔の岩も沢山見られ、より雰囲気が出ています。)

夏の日本の旅行と言えば沖縄は定番ですが、一度は屋久島にも是非行ってみて下さい。ホント、素敵な体験ができます!


piet hein eekの家具

オランダ人であるピートは、捨てられた廃材や工場廃棄物などを使い、
それまで誰も見たことのない彼独自の新しい美意識に溢れた作品を作り出すデザイナーです。
職人の技術力と高いデザイン性を融合させたその作品は、綺麗で完璧な物を創りだそうとする今の家具業界では
正反対ともとれる立場でいて、徹底した手作業による作品はどれも同じ表情、素材感、色の物が二つとない一点ものでもある。

ーーーー
・1、スクラップウッド キャビネット 1890000円
・2、スクラップウッド テーブル   1570000円
・3、スクラップウッドロッキンチェア 94500円 

現状にある素材を殺さずにそのまま生かし、新しい美を作品に宿す彼のクリエイションは、僕たち美容師にも同じ事が言える。
ピートの家具は、アンティークとは全く違う。当然、リサイクルとも全く違う。廃材を生かした新しいクリエイションだ。
エコとは一体何を指して言うのか?そんなメッセージが作品から聞こえてきそうでもある。

ーーーー
・4、スクラップウッドベンチ         840000円    
・5、スクラップウッドバイリングスツール 273000円
・6、スクラップウッドバースツール     89200円

また、彼の作品は大きい物だと100万円を超えるものも珍しくなく、非常に高額でもある。
しかし彼の作品を青山のciboneで初めて見た時、僕のイメージしているサロンの内装(パリから見たアメリカ)に、
これ以上合う椅子は今後出会う事はないであろうとの判断から、悩んだ末、スクラップウッドチェアの購入を決断しました。
(実は、サロンの外装も、当初海外のヴィンテージのウッドを輸入して板張りにしようとデザインしたのですが、
あまりにヴィンテージのウッドはどれも高額すぎて断念した経緯があったので、せめて家具にだけでも取り入れたいと言う思いもあったのです。)

ーーー
カッパーペンダントライト 75600円
カップ&ソーサー     12600円

上の写真の銅を使用した無骨なペンダントライトは使用すればする程に輝きが変化する名品。
右のカップ&ソーサーの繊細なデザイン。今にも壊れそうな程薄く、ユニークな形は、とても可愛い。
など、家具以外でも様々な作品を制作しています。

ピート本人

点と線では、待合にスクラップチェア。そしてフォトフレーム、大判の作品集、以上3点ピートの作品を所蔵中です。

ZENA HOLLOWAYのフォト

当時18歳だったゼナは、スキューバーダイビングのインストラクターとして世界をまたにかけて働いていた。
そこで目にしていた水中でしか見る事のできない美しい世界。人間の、自由でしなやかな動き。髪の毛がゆらりと漂う感じ・・・。
そんな姿に魅せられていった彼女はやがて写真を撮り始めた。

ーーーーーー
*写真をクリックすると拡大表示いたします。

圧倒的な創造力と「水」に対する愛情から生み出される写真の数々は、どれも息を飲む程の美しさでもあり、
ナショナル・ジオグラフィックス、サンデー・タイムス誌を始め数々の有名誌にも取り上げられていて、広告業界からのオファーも絶えない。

ーーーーーー

underwater photographerと呼ばれる水中写真家の先駆者と呼ばれるのが、ゼナでもあります。

ーーーーーー

幻想的であり、絵画的でもあり、時に孤独感をも感じるオリジナリティの非常に高い作品を創り、見る者を感動させてくれます。

ーーーーーー

NIRVANAの「NEVER MIND」の赤ちゃんのジャケットはロックファンのみならずとも有名ですが、ゼナが撮るとこうなります。



また、撮影には毎回モデルさんを含め非常に困難を極めているのは有名な話でもあります。
(ゼナはモデルさん同様、酸素ボンベを使用せずに撮影を行う事が殆どでもあります)
その苦労を微塵も感じさせない作品に仕上げる辺りが、技術力の高さを感じ本当に凄いです。

ーーー

(ゼナによる映像作品、underwater)


写真が気に入った方は、こちらも是非ご覧下さいませ。
オフィシャルHP


Olafur Eliassonのアート 

僕が最も好きな現代美術家の一人でもある、オラファー・エリアソン。
初めて出会ったのは、2004年のロンドン。
ちょうど、その頃のロンドンはYBAと呼ばれる若手のエッジィな芸術家が多数出現してアートシーンが爆発中。
それらの作家の作品を所蔵したサーチギャラリーがテムズ川沿いにこの年オープンしたばかりで、当時世界で一番現代美術がホットな国でもありました。
テート・モダン(工場をそのまま改装した巨大な美術館)で、今や伝説となっている彼の個展(THE WEATHER PROJECT)を見た時は本当にその
魔術的なスペクタルにド肝を抜かされました。今でもその時の体験を超える作品は出会えていません。

ーーーーーー

(THE WEATHER PROJECTの画像と動画)

これは、太陽の光なのか?それとも、母親の体内をイメージしたものなのか?観る人により様々な感想を抱く壮大なこの作品の会場では、
誰が指示したわけでもなく、子供から、老人、カップル、ファミリー、観客皆が次々と地面に寝ころび(!)
思い思いのスタイルで時間を忘れて観賞すると言う、とても幸せな空間と時間が流れていて、言葉で表せない一体感と感動を感じた・・・。

そんなオラファー、去年、日本の金沢21世紀美術館で個展を開催してくれたので行ってきました。

ーーーーーー

光、影、色、霧、風、波。自分のまわりに当たり前にある存在を、エリアソンの作品によって意識的に純粋に体で。
そして取り巻く環境の中で、新しい発見、体験をさせてもらいました。
中でも広い空間の中にカラフルな霧がたちこめてあり、虹を連想する空間を自由に歩く作品。とても幻想的な体験ができました。
オラファーの作品には、芸術とは何だとか言う難しいものは一切何もない。
とにかく、体感して、美を感じる。驚きを感じる。発見がある。人間の五感にシンプルに訴える素晴らしい作品を私たちに見せてくれます。

ーーーーーー



ウォン・カーワァイのシネマ

香港映画界に、90年代、全く新しい金字塔を打ち立てたのが、ウォン・カーワァイ監督でした。
それまでの香港映画の持つ負のイメージを一新したその斬新な作風は「香港ヌーヴェルヴァーグ」と呼ばれ、
当時世界中の映画ファンに絶賛を持って受け入れられた。

ーーーーーー

「恋する惑星」に見る、男と女の関係。ユーモアで詩的なセリフ。そして、フェイ・フォンのショートカットのヘアの、何てキュートな事!
そして圧巻のカメラワークは、香港の雑踏であれ、ゴミが溢れる下町の路地裏であれ、独自の浮遊感と美に溢れ斬新でカッコいい。
どんな汚い場所であろうと美しく染めてしまう。
音楽は、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」とクランベリーズの「ドリームス」が効果的に使われています。

そして一番好きなのが「花様年華」です。男女の恋愛をしっかりと見つめたこの作品は、
とにかくファッショナブルでもあり今まで気ずかなかった香港の美を魅せてくれます。

ーーーーーー

ーーーーーー
気になった方は、セリフにも注目しながら是非ご覧下さい。

クリムトの絵

ーーーーーー

美術の教科書でもお馴染み、グスタフ・クリムト。まさにオーストリアの至宝とも言える画家です。
1800年代後半~1900年代前半までのクラッシックモダーンです。

ーーー

さすがに、クリムトの作品はオーストリアという土地柄か、美しい絶妙の色使いの裏に、とても哀愁が感じられます。

そして、素晴らしいのが女性を描く際の非常に柔らかいタッチとライン!
エゴン・シーレの描く力強い絵のタッチも好きですが、やはりこういう優しいタッチは何とも言えない官能的なものを感じ、とても魅力があります。

美容師のヘアカットも全く同じで、繊細で柔らかいタッチを必要とされる仕事でもあります。
そんな事を、クリムトの絵からは学ぶ事ができます。

(グスタフ・クリムト 1862~1918年)


北大路魯山人「料理王国」


美食家、陶芸家、画家、漆芸家、料理家など、様々な顔を持っていた、魯山人先生。
生涯を通して日本の美と食を追求した、偉大な人物でもあります。
漫画、美味しんぼの海原雄山のモデルとしても有名です。
僕は、この方の本は相当読んだけれども、中でもお薦めしたいのがこの「料理王国」と言う本である。
全編を通して、食材、調味料、料理の仕方など(お茶漬けに関しては30ページにもわたり)書かれておりますが、
そこから見えてくる事は、美に対するとらえかた、考えかた、人としての歩み、
そしてもっと重要なのが思想と哲学だと感じます。

北大路魯山人本人

僕がさせていただいている美容の仕事も、実は料理と深く精通しています。
料理する以上、必ず素材を生かすこと。
料理も自然、盛り付けは花を活ける事となんら違いはない。
など、「料理」を「美容」におきかえてみても全くその通りでもあります。

点と線にも、数冊置いてあります。気になる方は声をかけて下さいね。

映画「BAGDAD CAFE」



昔から映画好きな僕ですが、その中でも思い入れの深い作品の中の一つがこちらです。
昨年末、渋谷のユーロスペースで20周年記念のニューディレクターズカット版が上映された際は、何度も映画館に足を運びました。
登場人物、全員がとても人間的に魅力的であり、日常生活の中で、疲れた時。
仕事が上手くいかずに、イライラしている時。肩に力が入っていて、リラックスしたい時。
様々なシーンで、心に沁み渡る名作でもあります。

(ルート66に実際にある映画の舞台になったバグダットカフェ。)


また、画面を彩る古き良きアメリカの建築物、家具、インテリアもとても魅力的で登場人物同様、とても良い雰囲気を醸し出しています。





Tommy Guerreroの音楽



その世界では知らぬ者はいない、カリフォルニアのスケーターであり、ストリートを代表するミュージシャンでもあるゲレロ。
インテリア・ファッション・アートにも造詣が深く、多彩な顔も持ち主でもあります。
そんなゲレロの奏でる音楽は、とても心地がよい。
チープでアナログなギターサウンドとドラミングで、こんなにも聴く者のイメージを広げてくれるサウンドってそうはないです。
ゲレロの奏でるギターサウンドは、ストリートの空気感とか、空の色とか、海の青さとか、白い雲の流れとか、木々の揺れる様とか、蜃気楼とか・・・
いろいろなイメージが混ざり合っていて、非常に心地よいサウンドになっています。
耳を傾けると、まるでカリフォルニアの青い空とストリートが目の前に広がる様です。



サン・ジェルマン・デ・プレ入門

ーーー

エルスケンが撮影した、第二次世界大戦直後のサン・ジェルマン・デ・プレは
ピカソ、カミュ、コクトー、クレー、マイルスデイヴィス・などをはじめ大勢の文化人が夜な夜な地下の酒場に集まり交流を深めていた場所でもありました。
その中心的存在が、『うたかたの日々』の作者、ボリス・ヴィアンでした。
この本は彼が綴った、サン・ジェルマン・デ・プレのドキュメント的な貴重な書物で、写真・図版も300点が収載されてます。
地図もあり、見ていると、当時のパリにタイムスリップできます。

興味のある方は、店内に所蔵してありますので、エルスケンの写真集と共に是非覧下さいませ。
(写真左が、出版された80年代当時の物で、右が近年再販された物で、内容は同じです)




Ed Van Der Elskenの写真



時は50年代、戦争によってアムステルダムの自国を失ったエルスケンは
ローライフレックス、それだけを片手にパリへやってきた。

エルスケン本人




エルスケンの写真集は何時観ても飽きない素敵な写真集のひとつです。
彼の撮ったの写真は、僕は映画そのものでもあると感じている。


ーー


ーー




上の写真がそうですが、「セーヌ左岸の恋」と言うタイトルの代表作があります。
一人の女性を、まるで映画のように追いストーリーを紡ぎだします。
こういうのをずっと眺めていると、ふつふつとその世界観に入り込み魅せられてしまいます。
一人の人間の可能性は、どこの国でも、何時の時代においても秘められています。
その人のもつ雰囲気を、自分も美容を通して引き出していきたいと思うのです。


ーーーー


貴重な、カラーによる写真集「EYE LOVE YOU」より